会社設立中の株式会社の発起人の権限について

設立中の株式会社の発起人の権限に関して

発起人の権限については、①本来、会社の設立それ自体に必要な行為に限るとの考え方と、②開業準備行為をも含むとの考え方とがありますが、判例は「①」と同旨です。

「①」によれば、財産引受は本来、発起人の権限に属しないが、実際の必要性にかんがみ、法が厳格な制限の下に例外的に認めたものであると考えるのに対して、「②」によれば、特に厳格な要件を課して発起人の権限を制限したものであると考えることになります。

「②」によれば、発起人は、「従業員の雇入れ」も自由にすることができることになるが、これは、財産引受について厳格な手続を定めている法の趣旨に反するので、財産引受に関する規定を類推適用すべきとの見解もあります。