時効取得による所有権移転登記申請の諸問題(4)

久しぶりに時効取得による所有権移転登記申請の諸問題を検討します。

 

(問題)

時効の起算日後に出生した者が時効の完成前に占有者を相続した場合には、自らの出生前の日付の時効取得を原因とする所有権移転の登記を申請することができるか?

 

(解答)

時効取得による所有権移転の登記を申請する場合において、当該登記の原因日付は権利者の出生前の日付であっても差し支えない(登記研究603号)。

これは、相続により被相続人たる占有者の占有(の継続)を承継するからである。

時効の起算日後に出生した者が時効の完成前に占有者を相続した場合には、自らの出生前の日付の時効取得を原因とする所有権移転の登記を申請することができる。